We will hold the 4th 「論数哲」(PhilLogMath) workshop. Our aim is to provide opportunities of detailed discussions among philosophers, logicians, mathematicians and linguists. We focus on theoretical and computational linguistics this time. Everyone is welcome.
website url: http://researchmap.jp/jopyjeyia-21098/#_21098
Date : July 16 (Mon) National holiday (海の日)
Place: Seiryo Kaikan (Nagata-cho, Tokyo) http://metropolis.co.jp/listings/venues/type/stage-venue/seiryo-kaikan/
Time table 10:00-12:00 上垣渉(MIT) 尺度推意(scalar implicature)、その材料とレシピ 13:30-15:00 八木沢敬 (カルフォルニア州立大学) 可能世界を超える可能性 15:30-17:00 上出哲広 (サイバー大学) An embedding-based method for non-classical logics
Every slots consists of 60 minutes talk and 30 minutes discussion basically.
Abstracts: 上垣渉 尺度推意(scalar implicature)、その材料とレシピ 自然言語の文は、ときに、それに含まれる語彙を「字義通り」に解釈した意味よりも強い(取り消し可能な)解釈を生み出すことがある。例えば、日本語母語話者は、日本語において選言に対応するとされる「pまたはq」は、「pかつq、ではない」(あるいは「pかつqであるとは話者は知らない」)という解釈をもつという直観をもつ。Grice(1975) 以降、このような事実は、文が表す意味を「字義通りの意味(literal meaning)」と「推意(implicature)」に分け、前者は言語に固有の文法的メカニズムによって生み出され、後者は言語に限らないコミュニケーション一般における推論によって字義通りの意味から導きだされるとする考えが言語学においては一般的である。ただ、後者の推意を生み出すメカニズムがどのようなものであるかに関しては、近年まで理論的な精緻化は比較的乏しく、推意は伝統的な意味論的分析を守るために分析と事実の齟齬を放り込んでおくためのある種のブラックボックス(あるいは「語用論的ゴミ箱(pragmatic wastebasket)」)として機能していた傾向がある。ところが、推意とくに尺度推意(scalar implicature)の近年の研究の展開において、字義通りの意味から推意が導かれる具体的なメカニズムの理論が精緻化されてきている(例えば、Jäger(2011), Franke (2009) によるゲーム理論的モデル、Goodman & Stuhlmuller (2012)によるベイズ理論を用いたモデル、Chierchia (2004), Chierchia, Fox & Spector (2011)による尺度推意を文法自体に組み込むモデルなど)。本発表では、この理論的展開において重要な意義をもつ二つの問題、すなわち (i)推意を生み出すのは「文法外」のメカニズムに限られるのか、(ii)推意の導出の際に用いられる代替発話(alternative utterances)の集合はいかにして規定されるのか、についての最近の研究を紹介する。そして、(i)の問題については、推意を文法に組み込む仮説がその主要な証拠としてきた「埋め込まれた尺度推意(embedded scalar implicature)」が、必ずしも推意に関する語用論的な見方と矛盾しないこと、(ii)の問題については、談話における「議題となる疑問(Question under Discussion)」が代替発話を規定するのに重要な役割を果たすことを議論したい。
八木沢敬 可能世界を超える可能性 標準的な可能世界の枠組みでは、すべての可能性は何らかの可能世界での実現として理解される。本論では、この理解を批判する。まず、標準的な可能世界の枠組みによる様相の理解の根底にあるアイデアを「別域の方法」(method of alternatives)として同定し、次に、それを可能世界を擁する論理空間そのものに関する様相言明に適用することによって、可能世界での実現としては理解できない可能性の概念を明らかにする。それにあたって、現実世界についての様相、信念の様相、背理法の使用、思考の様相などを考察する。
上出哲広 An embedding-based method for non-classical logics An embedding-based proof method for some non-classical logics is presented. This method can uniformly prove the cut-elimination,completeness, decidability and Craig interpolation theorems for some non-classical logics including some paraconsistent and temporal logics. This method is based on two theorems for syntactically and semantically embedding the required non-classical logic into its negation-less or time-less fragment. Firstly in this talk, some results on Nelson's paraconsistent logic and its neighbors, which have recently been obtained by Kamide and Wansing, are presented. Secondly, some results on linear-time temporal logic and its neighbors are presented.
Workshop organizer:
Yuko Murakami Shunsuke Yatabe ( [email protected] ) Takuro Onishi ( [email protected] )