早稲田大学高等研究所の秋吉と申します.

以下の要領で,高等研究所セミナー「可換環論における逆数学」を開催いたします.

ご都合よろしければぜひご参加ください。


————————————————————————————————————————————————————————————


次のようなセミナーを予定しております.参加自由です.

------------------------------------------------------------------------------

 

高等研究所主催セミナー

 

講演者:佐藤隆(東北大学理学研究科)

 

日時:67日(火)16:00—18:00

場所:早稲田大学早稲田キャンパス9号館5階 第2会議室

(URL: http://www.waseda.jp/wias/)

 

タイトル:可換環論における逆数学

 

アブストラクト:

 

 本研究は「逆数学」の手法を用いて,数学史の観点も加味しながら,可換環論をメタ分析する, というものです.可換環論の歴史を大雑把に辿れば,十九世紀中盤の代数的整数論が動機となり,イデアル論を経て,二十世紀前半の抽象代数学の勃興という道筋が見えてきます.この抽象化にあたって,D. Hilbert, Van der Waerden, E. Noetherらの貢献が指摘できます.その一連の抽象化の中で,本質的に必要とされる公理はどのように変わっていったのでしょうか? これまでに得られた結果から,可算な一般の可換環のクラスについて,その理論を展開するには, 算術的集合存在公理(体系ACA)が必要かつ十分であることが示唆されます.一方,より狭いアルティン環のクラスの理論については,より弱い公理である弱ケーニッヒの補題(体系WKL)が必要 かつ十分であることがC. Conidisにより示されています.それでは,整数環の素イデアル分解,ネータ環の準素イデアル分 解,PIDの単因子論など,各クラスの理論を特徴付ける公理はどのようなものになるのでしょうか? 本講演では,以上の結果を紹介するとともに,これからの研究を進めるにあたっての困難な点や, 解決のアイディアについてお話しします.

 

問い合わせ先:早稲田大学高等研究所 秋吉亮太 ([email protected])