基礎論歴史分科会MLの皆様、
東京学芸大の渡辺純成です。数学史を主題とする 集中講義(東京大数理科学研究科)のお知らせで す。入試で忙しい時期になりますが、皆様、お誘 い合わせの上、お出で下さい。なお、広くお知ら せするために複数のメーリングリストに投稿して おりますが、重複して受け取られた方々にはご海 容いただけますと幸いです。
────2014年11月13日 渡辺純成
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講師:中根 美知代 氏(日本大学理工学研究所) 期日:2015 年 1 月 5 日(月)から 9 日(金)まで 時間:14時50分から16時50分まで 場所:東京大学大学院数理科学研究科(駒場)12 3講義室 題名:解析学への歴史の試み:「代数解析」の新系譜 概要: 「解析」という語は、古代ギリシアから導入されて いるが、時代とともに、その意味が異なっている。 「代数解析」で示される事柄も、近代・18世 紀・19 世紀・現代では大きく変化している。この言葉を手 がかりに、今日、「解析学」と呼ばれている分野が 形成されていく過程を部分的に明らかに する。古 代から18世紀までの「解析」の変化を概観して歴史 の流れを掴んだ上で、19世紀の数学者たちの原論文 を参照しながら、実際に理論が作ら れていく過程 を見ていく。自分で数学史に取り組んでみようとす るときに有用な、基礎的な知識もあわせて紹介して いきたい。以下のような順序ですすめていく。
1.代数解析前史 古代ギリシアの解析・イスラームの「代数=解 析」との捉え方 2. 代数解析から無限小解析へ Viète・Descartesによる代数=解析の捉え方 17-18世紀における無限小解析の形成 3.教科としての「代数解析」 Euler の『無限解析序説』・Lagrange が名づけた「代 数解析」 Cauchyが「代数解析」で講義したもの 4. 今日の微積分学の起源 Cauchyの教科書の成果と限界 Cauchyの不備はどのように乗り越えられたか エピローグ:Euler と「今日の代数解析」